パニック障害の様々な角度からみると
パニック障害は心の病気とされていますが、正確には『脳の誤作動』です。
脳内伝達物質(脳内で司令を送るホルモン)のひとつである『セロトニン』の量が減少することで、脳内の興奮が過剰になってしまうことで発作が起こる病気です。
イメージして下さい。
あなたは楽しく海水浴を楽しんでいます。
浮き輪にのってプカプカ海に浮かんでいます。
心地よく、目を閉じて浮かんでいます。
ふと目を開けると、自分だけ沖に流されているのに気が付きます。
やばい!戻らないと!
しかし、沖は波が強く、いくら泳いでも海岸との距離は縮まりません。
あなたは大きな声で叫びます。
助けて!!
波の音が大きく、それでも声は届きません。
あなたの心臓は激しく鼓動し、息は乱れ、とにかく『焦り』ます。
もがけばもがくほど苦しくなります。
呼吸ができず、その場から動けず、自分だけが取り残される。
それでも誰も助けてくれない。
死ぬかもしれない。
・・・
パニック障害の患者は、なんでもない時にも(海に流されたわけでなくても)この恐怖感に支配されます。
それがパニック発作です。
電車に乗った時
渋滞に巻き込まれた時
人混み
ひとりぼっちの空間
エレベーター
そして外出…。
日常生活のありとあらゆる場面で『死の恐怖』に支配される病気がパニック障害です。
パニック障害と予期不安
パニック障害の主な症状は『予期不安』です。
これが最も厄介な症状です。
予期不安というのは、『もしもパニック発作がでたらどうしよう』という漠然とした不安のことです。
実際にパニック発作が起こったわけではないけれど、『もしも起こったらどうしよう』と不安になってしまい、標準的な日常生活ができなくなってしまうという症状です。
先にも紹介したように、パニック発作はありとあらゆる場面で出現する可能性があります。
そのため、『またいつ発作が起きるかわからない』『次に起きたらどうしよう』『またあの恐怖に支配されるのは怖い』という不安と隣り合わせに生きていくことになります。
パニック障害で外出ができなくなる理由
パニック障害で外出ができなくなる理由が『予期不安』です。
個々の患者によって不安を感じる場面は違いますが、多くの人は『電車などの公共交通機関』や『高速道路』、『渋滞や行列』などの『逃げられない環境』を苦手とします。
そのため、外出した時に『もしも』パニック発作が起きたらどうしよう。
このような予期不安を感じることで、足がすくんでしまい外出ができなくなってしまうのです。
多くの患者は体に問題があるわけではないので、物理的に外出することは可能です。
しかし、いざ外出しようとすると予期不安に襲われ、「やっぱりやめておこう」となってしまいます。
日常的にこの思考が積み重なることで、徐々に引きこもりがちの生活になり、活力がなくなり、うつ症状を併発します。
パニック障害と抑うつ症状
パニック障害患者の多くは抑うつ症状を併発していることが分かっています。
うつ傾向があるからパニック障害になるのか…
パニック障害だから抑うつ症状が発現するのか…
どちらが先かというのは定かではありませんが、パニック障害患者の多くは“うつ”を合併しています。
その理由のひとつには『予期不安によって外出できない』ということがあげられるでしょう。
予期不安によって外出ができなくなると、心も体も沈んでしまいます。
そして「自分なんかどうせ外出すらできないんだ」と自分自身を責めるようになってしまいます。
一人きりで長時間過ごすことで、このようなネガティブな思考が頭の中を何度もループするようになり、さらに抑うつ傾向が強くなります。
そのため、パニック障害を克服するためには、このような“負のループ”から抜け出す方法を学ぶ必要があります。
心地よいと感じることから始めること
予期不安を克服する方法は『心地よい』と感じる外出から始めてみることです。
外食やマッサージなど、自分自身が『楽しい・行きたい』と感じることを探すのが効果的です。
そして最も重要なことは、無理に外出する必要はないと自分自身に優しく声をかけてあげることです。







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